令和4年度第二回研修会を9月24日(土)午後に開催しました。今回もオンラインにて開催し、30名以上の参加がありました。
本年6月に発表された「地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会」報告書のポイント解説を当検討会の構成員でもある社会福祉法人じりつ(埼玉県) 岩上洋一氏をお迎えし行なって頂きました。
現状の事を踏まえて今後の相談支援体制、連携支援体制に関してひとつの機関だけでなくいかに多機関協働をしていけるかがポイントであり、作戦を練る事が出来るチームであるかどうかも重要とのお話しがありました。
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医療保護入院、患者訪問、ピアサポートなど今後の事柄も踏まえ、長期入院者などに関して医療機関がこれまで長く退院支援の多くを担いすぎていた歴史があり、医療機関の本来の役割は良質な医療提供である事や当事者への適切なアセスメントを行なっていき他機関に繋げる事であり、市町村や事業所が退院支援の主として担っていく事が本来の姿であるべきである事を改めて学びました。
長期入院者の死亡退院、他医療機関・他科への転院が年々増えている事に関して改めてその人数を減らしていく取り組みが必要である事を確認しました。また、今後開始が想定される病院への患者訪問相談に関して、まずは県単位で行っていく必要があり、そこでピアサポーターが活躍の場になるであろうとの事、それ以外にも我々、精神保健福祉士が活躍の場を作っておく必要がある事を確認しました。
検討会内での事も触れて下さり、長期入院の歴史的な背景から最初は病院批判になっていた意見もあった事、ただそうではなく法律に不備がある事を指摘していく事が大切である事を教えて頂きました。
医療保護入院に関して、人権問題など言われているが代替案のない以上は直ぐに止める事は出来ない点を踏まえつつも、この制度にある問題点に関しては考え続けていく必要がある事を感じました。
講義の後は、グループに分かれて講義の感想や今後に生かしていきたい事などを共有しました。各グループ普段交流がない圏域外の会員との交流の場、機会にもなりました。
【グループ発表より(一部)】
・(所属が病院でない会員から)病院で起きている事は遠い世界の話のように感じた。
・連携が難しいところも感じつつも、日頃からの連携が大切になってくる事を再確認出来た。
・病院訪問相談は大切な事だと思う事と合わせて、地域支援者との連携が大切になってくると感じた。
・ピアサポーターの活用ももっと進めていきたい、ピアの交流を(県の中央という事で)中部ででも開催するのはどうか。
・講義にもあったように各機関のパワーバランスを整えていく必要もあると思った。
まとめに当会員(理事)の廣江氏と講師の岩上氏からコメントを頂き、旧知の間柄でもある事から和やかなトークを交えつつも、講義など今日の研修会で感じた事を今後に向けて何が出来る事を見つめ直して取り組んでいける事がある事、精神保健福祉士だけでなく各支援者間のお互いの価値を知っておく事が大切である事、交流し合い地域をよくしていく活動こそ精神保健福祉士の役割でもある事を頂きました。
精神保健福祉士として日頃の当事者支援、今後の地域作りの点など多くの点に関して発見・確認の機会となりました。
ご多用のところ、講師を引き受けて頂いた岩上氏へ感謝申し上げます。
また、至らない点もありご迷惑をお掛けしましたが、ご参加下さった皆様、ありがとうございました。今後ともよろしくお願い致します。
※「地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会」検討会については、以下の厚労省のページ(外部リンク)にてご覧いただけます。
地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
※研修資料については、会員専用ページ(パスワードあり)にて、ご覧いただけます。