令和4年3月12日 昨年と本年開催したピアサポーター養成講座を受講された方を対象としたフォローアップ研修をオンラインにて開催しました。ピア・事業所合わせて20名近くの参加があり、この機会を待ち望まれていた事を感じました。
昨年受講された方は、約1年振りの再会、そして、本年受講された方は約2週間振りの再会となりました。昨年受講された方と本年受講された方が初めて交わる機会となりました。
はじめに話題提供として、実際にピアサポーターとして活躍されていらっしゃる養和病院・二宮康氏と、事業者の立場として養和病院・多田博貴氏よりお話を頂きました。
二宮氏からは①研修を受講した感想②(研修を経て)現場に入ってどうだったか③仕事の経緯などに関してお話をして下さいました。
実際に業務に従事する中で、研修の中では学んでいない事が発生する事も多く“研修ではとても足りない事”を感じられた事の報告もありました。また、ピアは当事者という立場でもある事からクライエントとの距離も近くなりやすい事で、良い面もあるが気を遣う事もある事、またそれは職場関係の事も含めて距離感を上手く取っていく必要がある事をお話されました。それも踏まえて、体調に気をつけながら働いている二宮さんご自身の大切にされている事を教えて下さいました。
次に事業所の立場として養和病院・多田氏からは、二宮氏の業務内容についての説明やピアと一緒に仕事をすることで専門職では気がつかないピアの視点がソーシャルワーカーだけでなく多職種にも影響を与えていること、そのことがピアという専門性ではないかと感じている事を報告いただきました。ピアという特別扱いするのではなく、合理的な配慮はしつつも同僚であるという意識をお話されました。また、支援で関わる上では仲間・対等者・伴走者として関わってもらうように伝えているとの事、またピアサポーターが1名しかいない現状に対して県外で活躍しているピアサポーターの方とオンライン面談をする機会を設けている事などをお話下さいました。
その後は、グループに分かれて自己紹介を皮切りに講義の感想や、今後に関してそれぞれの思いを語り合いました。
ピア受講者からは「鳥取でもピアが早く普及して欲しい」「辛い経験でも特別な経験、それを人に伝えていかないといけない」「フォローアップ研修で意欲が取り戻せた」「ピアサポーターが精神だけでなく、他障害でも広がるといい」などの前向きな声が聞かれました。
事業所受講者からは「ピアサポーターをもっと事業所に知ってもらう必要がある」「ピアサポーターの方に研修会で話してもらう事も知ってもらう機会になるのではないか」「相手とのマッチングも大事であり、コーディネーターのような存在が必要ではないか」「民間より、まず行政からやってもらえるとよいのではないか」など、ピアサポーターをどう活用していけるのか、どう広げていけるのか専門職として何が出来るのか活発な意見交換がされました。
研修の終わり際も参加者間でやり取りをする場面もあり、和やかな雰囲気で研修を終えました。
約90分の研修時間でしたが、時間が足りないと感じる程の充実したものになりました。
研修を経ての振り返りはもちろんの事、この先の未来に向けた話が出来た事は次へ向けた一歩、スタートの日になったと思います。
最後に受講者の皆さま、開催にご協力を下さった皆さまへ感謝申し上げます。
そして、引き続きよろしくお願い致します。